超能力とは、時空間、物理的能力を超えた能力のことであるが、未だ解明されてはいない。超能力の研究は、アミニズムの概念が根付いていたスコットランドに端を発し、霊魂を想定した交霊会において霊媒の周辺でおこる超常的現象解明の試みから始まった。1930年代に米国デューク大学教授J.B・ラインによって、超能力を科学的に究明する「超心理学」が確立され、ESP (Extra Sensory Perception)、PK (Psycho Kinesis) の現象が主に研究されている。 ESPとは「感覚器官を通さない知覚」で、透視、テレパシー、予知などが含まれる。テレパシーは相手の心を透視、予知は未来を透視すると考えれば、「時空間を超えた透視による情報収集」と捉える事ができる。PK とは「念力」で、金属曲げ、念写、物体移動など、物理的な力を使わずに物体に影響を与えることである。
超心理学の研究成果によって、超能力が発動するのは、リラックスして内的に湧き出るイメージに集中する状態の時である事が明らかになっている。又、超能力現象が起きる事を望んでいない人が周りにいると、現象が起きにくい事も知られている。
かたや特殊能力は通常能力の拡大であり、マインドコントロールや超感覚などがある。通常能力の拡大なので、特定の知覚刺激に意識を集中し、知覚の精度をあげることにより獲得できる。ALPHASの登場人物はこの特殊能力に基づいた力を備えている。
超感覚を持つレイチェルは、五感の内いずれか一つを、他の感覚を抑える事で高める事ができる。ただしその間他の感覚を失っているので、常に危険と隣り合わせの状態である。
マインドコントロールはメンタリズムマジックとも言われる。人の行動は自由ではなく、行動の選択肢は限られていて、その範囲内で行動をしている。しかし、自立したいという個人の概念によって、個人の行動は自分で決定したと思いたいだけであるので、様々なきっかけでマインドコントロールされてしまう。マインドコントローラーは、相手の行動を熟知していて、選択肢の決定を行う無意識の領域にある潜在意識に、命令を植え付けることができる。ニーナは相手の目を見つめながら相手の潜在意識に入り込んでいる。
一般人は特殊能力を感じていても、無意識の内に無視をしてしまう。社会生活を営み、社会的常識に会わせて行動する障害になるからだ。社会生活、社会常識から離れた場所に自らをおいている自閉症の人間は、特殊能力に対し自然に無視できず、敏感になり混乱を生じる事がある。電磁波を読み取れる自閉症のゲイリーは、その能力を持って「ALPHASの一員」として社会貢献することが、自立心育成になると考えた母サンドラによって、リー・ローゼン博士率いるALPHASに参加している。
通常能力の拡大である特殊能力は、音楽能力、運動能力、計算能力、言語能力等と同じように、全ての人々がある程度持っている能力である。「能力者」と言われる人々は、先天的、訓練の結果、獲得している。しかしその能力のコントロールに苦労して、精神的に不安定になりやすく、しばしばその能力を嫌うほどにもなる。又、社会からの偏見もある。ALPHASでも登場人物が、特殊能力を持ったがために日常生活の中で悩んだり、困難に巻き込まれるなどリアルな場面が描かれている。